USBは、本来はキーボート&マウスなど、低速デバイスの接続を意図したものでしたが、
マスストレージクラスに対応してはいても所詮はマウス用。低速もいいとこでした。
USB2.0で大幅高速化。ハードディスクでの接続が実用的になりました。
なのは良いのですが、筆者はこの時期に、強引にWindows98で、USBストレージを使おうとして苦労した経験があり、それが不信感につながっています。
まず、USB1.0と2.0は、上位互換なので、USB2.0デバイスでも、USB1.0でつながってしまう場合がある。何かの間違いで、って事は21世紀ではもうないと思いますが、
「面倒なんで前面の(USB)端子に挿しちゃった」ってのは多いでしょう。
PC筐体の前後にそれぞれUSB端子がありますが、前はキーボード用なのでUSB1.0、
後ろはストレージ用なのでUSB2.0、というオヤクソクがあるらしいのです。
お蔭さんで、USBフラッシュメモリを挿すのが面倒臭いです。いや、前に挿してもいいんですが、遅いでしょう?
ヘビーユーザの方なら、割と早い時期に気づいているでしょう。USB2.0は、ハブを経由すると、スピードがキッチリ半分になります。また、ハブに、USB1.0/2.0を混在すると、USB1.0の巻き添えで、USB2.0機器のスピードが下がります。
筆者はなんとなく気づいてましたが、USB3.0の説明で、理由が判りました。
「(USB2.0の通信は)半二重だから」ですね。
半二重は、通信用語です。
道路工事で、片車線しか通行できない。アレです。往路と復路が、同時に通信できません。
つまり、Aドライブへの書き込み(往路?)と、Bドライブからの読み込み(復路?)が同時には出来ないってことです。更に、ファイルコピーとなると、一旦PCにデータを戻さなきゃいけないので、ハブ〜PCの経路の帯域で、頭打ちになります。繋げば繋ぐほど、速度的に損をします。
Y字路を想像してもらって、Yの右上から左上に行き来したいんだけど、かならず下の根元を経由しなきゃならないんです。しかも根元部分は、片車線通行です。
渋滞するに決まってます。
USBハブに接続した、ハードディスク同士のファイルコピーが遅いのはそういう事ですね。USB2.0の理論的速度は、そうそうは出ません。
一方、筆者がストレージ用として信頼しているのは、IEEE 1394です。
アップル社が、Firewireとして考案?した奴ですが、
ビデオ同士の接続用として、PC以外では割と普及してるかな?
1394ハードディスクは、USB2.0に比べて、1.4倍ぐらい早いです。早さは、繋いだだけで分かると思います。
2年前の比較ですが、グラフにしてくれてる人が居ました。
グラフの形は一緒ですが、メモリの縮尺が違うので注意。
いざ繋ごうとすると、
ノートPCでは、地味に1394端子がある機種も、あります。
最近流行りの、超小型デスクトップでは、USBオンリーだから無理。
しかし、1394外付けハードディスクの値段も1.3倍ぐらい高かったりします。
概ね、同容量のUSB2.0機に対して、+5000円ぐらい。
一方、USB3.0規格が始まったのはいいですが、出始めなので、ドライバが熟れてないかもしれません。Windows98の時のトホホ経験が、走馬灯のように。
今のところ、対応ストレージの価格帯は、IEEE1394b用と同程度ですね。
じゃあ、1394bでいいんじゃね?と思いました。
最近では、SATA/eSATAという選択肢もあります。実際かなり早いのですが。
アレは本質的にIDEの継承者なので、ポート1個から、何台も繋げることを意図していません。端的に言えば、SATAカード1枚につき、4台づつです。
まあ十分っちゃ十分かも知れませんが。
IEEE 1394の場合は、デイジーチェーンと言いまして、PCからハードディスク1台めに繋げる。1台めの開いてるポートから、2台めに繋げる。以下略。と言うことが出来ます。スピードはあまり落ちないと思いました。正確に図っては居ません。
更に、「ハブ」が要りません。「ハブの電源」の心配も要りません。USB機器をお使いの皆さんは、沢山のACアダプタで、コンセント回りが大変なことになってますよね?
「お前がそこまで言うなら、IEEE 1394を使ってみようかな?」と思った貴方。いや知らないけど。ショップ製で1394内蔵のものは稀なので、増設が必要です。
増設カードの中で、USB2.0/IEEE1394/ギガビット、なんて欲張りのも、何種類かありますが、これは、IEEE1394ポート以外は余りスピードが出ません。理由は、内部的にPCIブリッジが入ってるらしいので。なので、それぞれのインターフェース専用カードにしましょう。2000円しません。