2013年8月10日土曜日

今更、「エマ」全巻買ってみた

何年か前にアニメがやりました。 英國戀物語 エマ の原作コミックです。気にはなってて、ブックオフ(またか)で見たので。残念ながら全巻はそろわず、アマゾン込みです。便利過ぎアマゾン。

基本的には、いちメイド女性と、豪商の一人息子の恋物語なはずが、色々な人の思惑やら仕込みやらが働いて、グチャグチャの昼ドラ展開。小生は単行本で一気読みしたからまだいいですが、アニメで毎週コレ見るったら気が気でないでしょう。
基本的には、ウィリアム含めて、ヒドイ奴が多いのですが、何気に見方次第なんですよね。

ケリーストウナー


影の主人公は、小生は彼女だと思うわけです。だってアナタ、2巻でエマを拾うときの会話。


ヤバいですよ。ミセスケリー、男前過ぎます。 そしてこの気まぐれこそが、エマの快進撃を支えているわけです。 「エマ」の伝説はココから始まった。って言うところでしょう。 30年にもおよぶ家庭教師人生は、おそらく「デキる子」を一目で見抜く目を養ったのでしょう。

そしてその最後の直伝の教え子は、ロンドンの豪商の4代め婦人に収まろうってわけです。これが育成ゲームなら、レア実績5個ぐらい入りそう。

エマ

ヒロインです。その出自は、
  • 両親に早くから死に別れ
  • 親戚の夫婦に、育てられはしつつも、見た感じ10歳ぐらい?
  • 裸足でパシリやらされ。パシリ中に攫われて、
  • 人買いに売られそうになるところを逃げだし
  • 15歳まで花売り娘
ちょw 近年まれに見る苦労人ヒロインですよコレ。 しかも裸足で生活してたから、足の裏堅そうです。

どうやら物語開始までに、言い寄ってくるオトコは数知れずだったらしいのが、始めてウィリアムといい感じになりつつも、後援者のケリー婦人を失っては、とりあえず引き下がるしかない。とはいえ、ケリーの「教育」が良かったのか、そのケリー婦人にして「賢そうな顔」といわしめる資質があったのか、行く先々で、「本当にアナタ、ただのメイドだったの?」とか疑われまくります。

 

とはいえ、15歳の子供一人、特に犯罪もせずにどうにか食いつないでいた訳ですから、頭の回転は悪くない筈でしょう。人買いから逃げる時の判断も早い。それ故に、ウィリアムとの間柄を早々に諦めてしまったとも言えます。果たしてケリー婦人が存命ならいくらか違ったのだろうか?

エレノアキャンベル


ウィリアムの妹の友人。子爵の末娘で重箱入り。ウィリアムに猛烈アプローチして、しかも彼女の姉まで出張ってきて、ウィリアムに婚約するまで「追い詰めた」A級戦犯。本人に悪気はもちろんありません。とはいえ、父親のキャンベル子爵は、ジョーンズ家を「成り上がり」と心底馬鹿にしてるので、結婚したらしたで、別の昼ドラが始まってしまうと思われる。

ハキムアワターリ




ウィリアムのよき友人。9巻に掘り下げエピソードがありますが、10歳ぐらいで、彼のイギリスに馴染むための遊び相手として、の筈が、その時の持参したテニスラケットで、わずか数日でヒンデュー語と英語で喧嘩が出きるまでに。 そしてそれは成人した今でも一進一退の勝負を続ける間柄に。インドの王族だが、イスラームの一夫多妻のお国柄のためか、エマの「良さ」を素直に受け止め、ウィリアムとの仲を応援しまくっていた。 ウィリアムとエレノアの婚約宣言の時は、彼の「芝居」を見破り「つまらない」と一蹴。

オーレリアジョーンズ


ウィリアムの実母だが、社交界を「追われ」ドイツ近くに離れて暮す。が、お互い事情を知らずにドロテア婦人経由で出会ってしまう。 オーレリアの言うところの「雰囲気ある」ってのは何を指してるのか? よくスポーツ選手でも言いますよね。強打者のオーラとかそういう文脈で。もちろんこの場合は、育ちが良さそうなオーラ と解釈するところでしょう。よくよく見たらウィリアムに似てるかも。表情の豊かさも含めて。 



そして、侍女として、ウィリアムの婚約披露パーティに行くはめに。 息子の、としか言わないので説明不足ですね。 言ったら断って物語終了でしたが。 会った直後に、エマは気絶。医学的にどういう状態が判りませんが、血の気が引くってやつですかね。ウィリアムとの二人の表情を見比べて、やはりオーレリアは見破ってしまう。


ちなみに時代考証であるビクトリア王朝時代?は、女性のコルセットはかなり体に負担が大きく、すぐ気絶するらしいですね。ただし逆にそういう「すぐ気絶する女性」が好まれていたという時代背景もあるらしい。どこで見たんだっけか。

ジョーンズ夫妻 リチャードとオーレリア


リチャードは成り上がりたて、オーレリアは世間知らずとして、いずれも社交界の評判はもともと良くない。良くない同士で?の意気投合か、あっという間に婚約。プロポーズですら淡々と話すリチャードは、感情をあまり表に出さないタイプ。だが、それでも自分に好意があることを確信してたオーレリアも曲者。



末っ子が生まれるまでの数年、リチャードと共に社交界に出るにはデルが、社交レディー達の井戸端会議が元々苦手なので出ても上の空。上の空なのに心労が祟って、居眠りしちゃったり、ついには倒れたり。仕方がないので、「肺を患って療養」という形に。ただし、長男のウィリアムはこの有様を「理解」していて、社交界をもともと良くは思って無かったと思われる。

バックドラフト

その夜、エマの部屋に忍び込むウィリアム。「焼けぼっくいに火が付いた」という慣用句がありますが、これはそんなもんじゃない。バックドラフト、大爆発です。 そもそも消えてないし、色々なモノに延焼します。それにしてもネグリジェ姿のエマの後姿ヤベエ。特にお尻が!

いったんは現状維持で離れて暮らしますが、文通を続けるうちに想い醸造してしまう。 ウィリアムはエレノアほったらかしで、住所だけを頼りにフラッとメルダース家を訪ねる。人目みたエマは仕事ほったらかしにダッシュ。次期党首ウィリアムとしては、メルダース家とのコネが図らずもできて悪くない。

 

メルダース一家


エマがロンドンから離れる列車で、メルダース婦人ドロテアの一行(御付はターシャだけだったっぽい)と乗り合わせ、そのまま住み込んでしまう。仲でも一等席にてエマと乗り合わせたターシャは、親友とも言える間柄に。エマにはそういう知人は居なかったからかなり貴重。

エマとウィリアムの再会を見たメルダース後一家の反応は三社三様。ドロテア婦人は大喜び。独身時代は馬を乗り回し、今では全裸で寝て、朝には旦那の布団にそのまま潜り込む女傑。ストレートにラブラブな夫婦。ジョーンズ夫妻とは対照的。

メルダース夫妻はドイツ系で、イギリスの社交界ありきには辟易していたらしい。エマとの間も頭ごなしに否定せず、好意的。

 

アーサーとニコラ


ウィリアムの弟達。中間子アーサーと末っ子ニコラ。前者は社交界ありきの世の中に嫌気が既にさしていて、弁護士を目指す。中間子らしく、ハキムに継いでウィリアムをよく見てる。アーサーは仏頂面も含めて父親似らしい。※ちなみにグレイスとビビアンという妹も居たりする。5人兄弟。多いな!



エレノアファンの皆さんもこれで溜飲が下がった??


キャンベル子爵が裏で手を回して、エマが再び攫われてしまう。もう一つ目的があり、エマとウィリアムの縁を切らせるために手紙を書かせる。 ウィリアムは届いたその手紙を見るなり飛び出し、追跡。ついに見つけてしまう。 3度目の再会は、2人に「覚悟」をさせる。

まずはエマはメルダース家を退職。と同時に、ドロテアさんに弟子入りし、オーレリアも誘われて、キャッキャウフフの女3人の花嫁修行。何がって、むしろドロテアさんとオーレリアの方が楽しそう。

エマはオーレリア宅に住み込み、ついでに家事もやってるっぽい。ドロテアさんは通い講師。

 
 

正式に婚約解消しようと、キャンベル宅に殴り込むウィリアムだが、「成り上がり」への侮蔑と、エマへの工作を臭わせて、反感を買う。※いや清々しいまでの悪役で良かった。



正式にジョーンズ家を継ぎ(言及はないが、エレノアさんとの婚約宣言時点から手続きはしていた)、エマもジョーンズ婦人としての修行を始める。まずは唯一届いた社交界の招待状を「練習台」にする。