2015年8月3日月曜日

戦争したいの?したくないの?どっち?話はそれからだ

全体的に、賛成派は、反対派を小馬鹿にした発言が鼻につく。

右翼と左翼ではなくて「現実主義と理想主義」と言えばすべてが丸く収まる http://blogos.com/article/125937/

一見、議論の対立軸を変えて納得しているかのようで、これで納得できるのはこれまたやはり賛成派だろう。依然として何の説明にもなってないからだ。つくづく思うんだけど、賛成派って「俺ってアナログ思考だからさー」とか言ってる連中だろう。思考のドリフトが酷すぎる。

■法案自体の良し悪し
<現実> 覇権主義の中国などの情勢を考えると、スピード感重視でやむをえないかも
<理想> 理由はともあれ憲法違反は絶対ダメ

スピード感重視 w どこのベンチャー企業だよ。話が完全にオカシイのだが、これってただの手段でしかない。しかも次項の結論ありきの筈だ。前提条件が違うのだから平行線なのは当たり前だろう。この項については現実も理想などというポエムで切ろうとするのがオカシイ。

言い換えると、小生は憲法改正自体はどうでもいい。しかしそれが「東シナ海の小競り合い有利にしたいだけ」なら反対だ。それだけである。

■中国などとの対話
<現実> 対話は通用しない国。力である程度押さえないとやられる
<理想> とにかく対話、対話しかない → 対外的な現実はあまり知らない

明らかに賛成と反対の意図が逆だろう。訂正しておきたい。

  • <理想> 力である程度押さえれば戦争にならないと思っている。
  • <現実> 力なんぞで抑えたようとしたらもっと戦争になる可能性が増えると思ってる。

この説明を例によって誰もしてない。「対外的な現実はあまり知らない」としか言ってない。要するに反対派を本質的に馬鹿にしてるわけだ。これが根底にある限り議論は成り立たない。

「日本+アメリカなら必ず中国に勝てる!」なんて言ってる阿呆が居いてお目出度いことこのうえないが、その論調がまだ単純で判りやすくはある。しかし、こんな狸の皮算用で現実論を語ろうってのがチャンチャラおかしい。

「パワーゲームで勝つ」という発想はいかにも、日本の政治屋らしい発想だよね。政党システムがまさしくそうだ。数的有利を保って威圧するというのは「苛めの図式」でもある。政治屋がこんなの率先してやろうってんなら、イジメは無くならないだろうね。何の話かって?同じだよ。

ジャイアンと化している中国に対して、弱者連合を率いて、百姓一揆をしようって言うのだろう?何処が違うのよ? いやむしろこれに賛成する心理が判らない。

■徴兵制
<現実> 少子高齢化で末期的な国、大戦前とは根本的に違う法律構造、実際にそんなこといったら政権崩壊
→ 可能性ほぼ0は0と考える
<理想> 憲法の解釈を考えられるくらいだから、なんでもできる
→ 少しでも可能性があればそれは脅威

「政権崩壊」で説明になってると思うのが流石だわ。流石はアナログ思考。白黒付けたがりだねえ。賛成派の大好きな「損得勘定」で言えば、徴兵はやる方が馬鹿だろう。ただしこれもドローンありきの21世紀戦闘では代わってくる可能性が高い。

小生が賛成派に問いたいのはただ1点だ

戦争したいの?したくないの?どっち?

ビックリするぐらい賛成派はここに言及しない。

「それを防ぐための集団防衛権だろうが!」としか言わない。
 それだから山本太郎議員にすら突っ込まれる。そして「あり得ない」という反論しかしない。そこはどうでもいいんだよ。

「力で抑える」方法についても「アメリカに手伝ってもらう」これだけだ。賛成派はコレしか言わない。アメリカの喧嘩に加勢しますってんだから、外国がこれを尊重&応援するは当たり前だ。「加勢してくれるなら大助りだぜブラザー」と。ヤクザで言えば義兄弟の盃、って言おうと思ったらそれは別軸だった。

しかし、アメリカが日本の喧嘩に加勢してくれる保証の話を誰もしてない。或いは安倍首相にはその情報があるのか?それならそれで異論はないのだが、その情報を隠したまま押し通そうとするから、紛糾する。

ただこれはどうにも「えっ、守ってくれるものでしょう?」というニュアンスしか伝わって来ない。他力本願の極致。イヤイヤこっちもアメリカの戦争に付き合いますよって? ところが安倍首相は後方支援の話しかしてない。もちろん平和ボケしてる自衛隊(努力は認めるが、実戦をしてないのは事実)、これで「中国に勝つる!」という皮算用ができるのが本当に判らない。これって「対外的な現実」で説明できるの?
中国の軍備 ≦ 集団的自衛権×日本+アメリカ

これが成り立つと思ってる。その根拠はなんだ??お前らが「怖い」と思っている中国の「怖さ」はそんな絶妙なものなのか??

理想を語ってるのはどっちだよ....

「脅威の事実を語れ」 http://blogos.com/article/125979/

安倍総理はここに来て、危機のなんたるかを率直に話し始めた。すなわち最大の不安は中国であること、この27年の間に中国の軍事費が41倍と膨大に増大していること、更には東シナ海の日中中間線付近で中国がガス田開発施設を12基も新規に建設したこと(全体で16基か)などを写真つきで公表した。

はっきり言ってこの海域の石油埋蔵量は大したものではないといわれている。だとするなら、これは明らかな対日前線基地ではないか。ヘリコプターや無人機の拠点とすることも可能だし、レーダーを設置すれば沖縄、南西諸島全域の自衛隊や米軍の動をキャッチすることが可能になる。

現在、南シナ海では、サンゴ礁を埋め立て人工島の軍事施設を作ろうとし、フィリピン、ベトナム、マレーシアなどと激しく対決している。すでに3千メートル級の滑走路も整備され、大砲など武器も持ち込まれている。昨年5月にはベトナムと中国間でベトナムの漁船が沈められたという衝突事件も起こっている。

何度も中国の公船が日本の領海に侵入し、中国軍用機が領空に接近し、自衛隊機の緊急発進は昨年度で464回、2年連続の最多記録だ。

いつぶつかるか分からない危機が、いまそこにあるのだ。

「ぶつかる」のは判る。実際にそうなってるわけでしょう。でも「東シナ海での小競り合いでしょう?」としか思わない。前出も「力である程度」も「東シナ海の小競り合いを有利に進めたい」としか伝わってこない。