2015年8月10日月曜日

無辜の民が安部首相の言うことを盲信していてもうちょっと頭使おうよと

素晴らしい記事があった。京都の長岡京市会議員の小原明大(おはらあきひろ)さんが公明党派のおばちゃんをディベートしたという話。

フィクションじゃないかってぐらい、おばちゃんの論調が、安部首相の論調そのままで笑えない。しかし似たような話は50代の知り合いのおっちゃんも言ってたんで、その世代の一般的論調なのだと思われる。

安保法案でおばちゃんと長問答 http://blog.goo.ne.jp/ohara1095/e/86a482224825ec7f48e362f49fdff958

元記事は、オバチャンとの一問一答で展開してるが、小生はもうちょっと違う答えを考えてみようかと。いや書いてみたら大したことなかったのだけども。
(女)「集団的自衛権あかんて言うけど、自分の国を守るのは当たり前でしょう。」
じゃあ今の「自衛隊」は何のために居るんだって話。 集団的自衛権が無くなると、自分の国が守れないと思ってるような論調なのだが、それは断じて違う。

「首相が解りやすく説明します」の「戸締り」を真に受けてるのか。 逆にコレ違和感感じない方がおかしいんだけど? 「戸締り」の「鍵」って何?そこ納得してるの?
(女)「でも、アメリカがやられてるんなら、守ってあげるのは当然じゃないの?」
アメリカがやられるってどういうことなのか?

安部首相は「わかりやすく教えます」で、まず「アメリカの離れの火事を日本の消防隊が消しにいく」と喩えた。しか。しかし司会者が「離れって何処」って尋ねると、「イージス艦」と答えたって話じゃありませんか。

イージス艦、私も名前しか知らないけど、画像検索してみたら判ります。武装船です。これが火事ったらそうとうの事態ですよ。それを「従兄弟の娘が旦那に酷い目にあわされてるから匿わないと!」みたいな感覚で言っちゃいけない。

守ってあげるってどういうこと?

主要国の軍事費をグラフ化してみる(2015年)(最新)  http://www.garbagenews.net/archives/2258794.html

単純な軍事費で比較するなら、アメリカは日本の9倍の軍事力を持つことになる。わざわざ日本が出張ってきて何ができるというのか?

それを「守ってあげる」とかぶっちゃけおこがましい。チョーシに乗ってるのはむしろ日本の国民=無辜の民ではないのか。

これを読んで思ったのは、集団防衛権賛成派には「規模感」が無いのですよ。

(女)「戦争法案って呼ぶのおかしいのと違いますか。安倍さんは戦争しないための法案と言っているし。」

素晴らしく安部首相を盲信。無辜の民の真骨頂です。これだから「90日開ければ忘れてくれるよね」とか舐められるんですよ。

こんどの法案では、自衛隊がアメリカ軍の武器や弾薬の補給活動をできるようになります。

相手から見れば、アメリカと一緒に戦争しているも同然ですよね。それに戦死者も絶対出ます。」

「補給部隊だから戦争参加じゃない」という安部首相の説明をまさか真に受けてるのか?そうでないことは日本の戦国時代の歴史が証明している。(私はわざわざ今検索しましたが)織田信長が1579年になにをやったのか?兵糧ルートの遮断です。

三木城兵糧攻め http://www.geocities.jp/hosinoufo3/mikijou-hyourouzeme.html

安部首相がこの話を持ち出したのは、「自衛隊が攻撃参加する」への反論であって、「戦争参加」を否定するものではありません。だと思ったけど違ったらスミマセン。でもどっちみち首相がわざわざ出張ってきてする「説明」としては不適切なのは変わらないからイイヨネ :)
(女)「それと、中国が今どんどんのさばってきてるから、それに対抗せなあかんでしょう。」

のさばってきてるというのはどういうことか?

ホルムズ海峡の機雷による封鎖はそれなりのインパクトがあるけど、あれは中国じゃないよね?

国内に居る中国マフィアには日本の暴力団対策法が適応できないので、日本ヤクザが不利になってるなんて話も聞きます。しかし仮にそれが本当だとして(小生、堅気ですからそんな事情は存じませんよヤダナー)、集団防衛権で解決できる話じゃないですね。
前述の軍事費の話でいえば、アメリカの1/3ですが、それでも日本の5倍です。何をどうやって対抗する気なのか。

色々な人が言ってますが、ぶっちゃけ戦争になったら確実に負けるよ?

せいぜい東シナ海の小競り合いの話でしょう?
小生は何度も書いてますが、それを有利にするためだけの「集団防衛権」なら大げさ過ぎる。日本にはいい諺がありますね。「口は災いの元」「身から出た錆」「薮を突いて蛇を出す」

去年の今頃の話ですが、こんな事件もあるにはある

米軍機にも急接近していた中国戦闘機 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40813


5月24日、東シナ海上空で中国軍のSU-27戦闘機が、海上自衛隊と航空自衛隊の航空機にそれぞれ異常接近した。現場は日中の防空識別圏が重なる日中中間線付近の公海上空だった。
これに対し、中国国防省は「自衛隊機が中国の防空識別圏に侵入し、中ロ合同演習に対し偵察・妨害を行った」と主張。ウエブサイトに載せた声明で、飛行禁止 の通知は事前に出しており、日本は中ロの合同演習を妨害すべきではない。自衛隊機の飛行は国際法や国際的基準の重大な違反と非難した
「通知」を出したからって相手がそれを了承したとは限らない。ビジネスでもよくある。好意的に解釈すれば「済みません見てませんでした」って話だけど、国際問題だからねえ。おっと中国を擁護するつもりはない。ここまで来ると、中国が了承したかどうかまでの確認が必要になったと解釈するしかない。ナアナアで済ませるのはもう無理ってことなのだろう。

特に東シナ海の例もあり、中国は海域(防空識別線)に対しての認識が非常にルーズな印象を受ける。ひょっとしてレーダーが腐ってるだけだったりして?

こんな話もある

中国不法漁船を爆破 インドネシアが「弱腰」から「見せしめ」に http://www.sankei.com/world/news/150521/wor1505210055-n1.html

そこまでやってるのにインドと中国が戦争になったという話は幸い聞いてない。

(女)「そんなこと言っても通用しないのと違いますか?」
通用しないのは事実だとして、じゃあどうする気だというのか。集団防衛権?自国を守るのは当然?話がループしている。「中国に話が通じない」この誤認識を改めない限り、集団防衛権を望む「無辜の民」は居なくならないだろう。

なぜ誤認識と言ったか?

国民が直接中国と話したわけではないだろう。あちこちの報道やら政治屋の論調を真に受けてるだけだ。

正しくは「日本の理屈が通じない」と言うべきだ。そしてそれは恐らく当たり前の話であり、「中国が悪」なわけではない。

むしろ、国際社会の中で日本がもっと信頼されて、日本を攻めるなんてとんでもねえことやぞと思ってもらう努力のほうが有効で大事とちゃいますかね。」

実際、クールジャパンの話でよければ、日本独自のオタク文化は、世界中で地味な需要があります。

(女)「憲法は押しつけられたというやない。日本人の精神を骨抜きにする目的でアメリカが押しつけたていう。」

これも50代のオッチャンオバチャンが好きな論調。しかし、どの辺が骨抜きになったのか逆に聞きたい。

骨抜きになるまえは何だったのか?20世紀初頭の、様々な大国に喧嘩を売りまくっていた、「大日本帝国」のことを言ってるのか?