2015年7月17日金曜日

見栄を貼る政治屋連中>オリンピック&新国立競技場 関連

森元首相が、フライングでIOCに申請してくれたお陰で、例の新国立競技場のドタバタがある種の収束を見た。もう割とどうしようもないってことだ。

ただ正直、小生は東京オリンピック開催そのものには未だに反対である。何故って、そんなの言う必要あるの?「島国」だからだ。僅かな平野にひしめき合って生活している日本は、国際イベントを開くにはあまりにも狭すぎる。陸路がほとんど使えず、空路&海路を使わなければならない。沿岸部に会場を作るなら判りますよ。しかし東京のど真ん中。阿呆かと。

http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000037429.html

2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が東京都内で講演し、都が負担する競技施設の整備費の見積もりが8000億円近くに膨らんでいることを明らかにしました。

 森喜朗会長:「もう一度、全部、検討し直してみましょう。そうしないと、8000億円近いお金を東京都が出さなきゃいけない」

森会長は、建設工事の人件費や資材費の高騰で競技施設の整備費の見積もりが8000億円近くに膨らんでいると明らかにしました。これは、開催都市に立候補した時に発表した1538億円の5倍以上になります。

昨年末の森氏の指摘。招致に立候補したのはアンタなんだから払うよねってそれは一見正論に見えるけど、その金額が5倍だってんなら話が違う。サラ金じゃないんだからさー。

なるほど、ここの金額を減らしたのが自分の手柄だというわけだ>森氏

http://mainichi.jp/sports/news/20150707mog00m050014000c.html

(建設に要する)価格がここまで圧縮されたということは、さまざまな意見があったからだが、極めて妥当なところだ。価値判断を五輪・ラグビーだけでとらえ ては造る意味がない。2019年はプレ五輪年でもあり、五輪の全競技(のテスト大会)を前の年にやる。「プレ五輪大会実施のために急がないといけない」と いう大事な視点を忘れた論陣は極めて遺憾と思っている。「サヨナラ国立競技場」のイベントには日本中から人が集まった。ラグビーとサッカーのメモリアルの 試合をやったときも、国立競技場に対していろんな思い出を持った人が現れた。国立はスポーツマンにとって、国民にとっていかに大事なものかを改めて知っ た。その場所に次の競技場を造るということを、誇りを持ってやらないといけない。

最初参加したときに(新国立競技場の工費は)1300 億円とおっしゃっていたが、これが2500億円になったのでびっくりはしている。だが、その前提が屋根があるかないかとなると、新国立の採算が絶対的に合 わなくなってくるのははっきりしている。要するに屋根がないことでたとえばプロモーターが長期的な契約、特に大物アーティストと契約するときに、天候が左 右する長期契約はできない。
物議を醸してる「開閉式屋根」は、オリンピックの「後」で使うなら絶対に必要であるという主張。それはまあいい。しかし大物アーティストが何人来てくれるか判らんが、これを取り返せる気なのか。絶対無理だろう。皮算用が過ぎる。

http://blogos.com/article/122998/

現在の国立競技場の建て替え計画は、「運営採算を合わせる為」などという説明の下で純粋なスポーツ競技施設としては不必要な機能をモリモリと盛り込み、そこに多額の公金をつぎ込む複合観光施設開発になっています。その機能を列挙すると以下のようなもの。

89室の個室を含む巨大なVIPエリア、VIP専用のメディカルルーム、会員用ラウンジ、VIP用レストランとキッチン、スポーツ博物館、スポーツ体験エリア、図書館、多目的ホール、会議室、フィットネスジム、一般用の物販エリア、一般用の飲食エリア 等々
レストラン?ラウンジ?誰が使うのか判らない話が出てきた。東京都民の皆さんにも役に立つ素晴らしい施設ですよ。だから金出してね!という方向に持っていきたいなら、VIPホニャララは要らないだろう。映画館もつけるべきだ。全体的に昭和センス。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150715-00000064-san-soci

森氏は「五輪に間に合わせないと世界の笑いものとなる。高額になり批判を受けるのは残念だが、スポーツ、文化、経済などすべてを集積する場として50年以上先にレガシー(遺産)を残したい」と語った。

 安倍晋三首相も10日の衆院平和安全特別委で「これからコンペをし、新たにデザインを決めると五輪に間に合わない可能性が高い」と述べた。
日本の、特に東京の経済がガッツリ傾くくらいなら「笑いものになる」程度、安いものではないのか。自分の面子ばかり気にする「政治屋」の好例。そもそも現状既に、ある程度笑いものになってることだろう。安保問題然り。

そして「遺産」を残したいとか言い出すから、「森記念館」等と揶揄するものも出てくる。

http://diamond.jp/articles/-/74806/

二五二〇億の内訳は、竹中工務店が担当する「屋根工区」が九五〇億、大成建設が担当する「スタンド工区」が一五七〇億になる。驚きなのは、昨年五月発表の建設費が一六二五億円(解体費用を除く)で、これだけでも額は膨大と言われていたのに、蓋を開けてみれば当初の予定より九〇〇億円も上乗せした二五二〇億に及んだことだ。

 さらにアンビリーバボーなことに、現在、建設費に確保されている財源が六二六億円しかないと言われている(国が三九二億を負担、スポーツ振興基金が一二五億円、totoの売り上げ金から一〇九億円を供出)。
この状況下でよくぞ「建てます!行けます!」とか言えるものだ。まあ永田町の妖怪とまで言われた森氏であるから、何が何でも作らせるだろう。

そもそもの話、今回の案件は、歴代で類を見ないほどのバカ高い代物であるという。

http://megahit-rule.com/new-national-stadium/

歴代オリンピックメイン会場の総工費

ここで歴代の五輪スタジアムの総工費を振り返っておきます。
2000年のシドニーは、683億円
2004年のアテネは、367億円
2008年の北京は、511億円
2012年のロンドンが843億円
2016年のブラジルが548億円

繰り返しになりますが、東京は2,520億円(仮)です。
東京ディズニーランドの建設費が、1580億円であるという。

ディズニーランドよりも小さくて用途の少ない施設に、それらを越える予算を掛けるという。これは普通の感性を持ってる「国民」ならば納得しないことだろう。



https://www.taro-yamamoto.jp/national-diet/4875

本当に聞いているこちらが恥ずかしくなるようなオリンピック組織委員会・会長のお粗末な発言、世界へのアピールと国内での発言が全く真逆、せめて整合性が付くように、会長への教育、必要だと思うんですけれども、このような無責任発言は我が国のオリンピック・パラリンピック組織委員会・会長だけのことではございません。
ブエノスアイレスでのプレゼンテーションでは、原発事故による健康影響に関し、安倍総理は、「健康問題については、今までも、現在も、そして将来も全く問題はないということをお約束いたします」と、びっくり発言をされました。
ラグビーワールドカップとオリンピックのメーンスタジアム、開閉式屋根、つまり屋根付きでなければならないんでしょうか。

○政府参考人(久保公人君) 開閉式の遮音装置 は、むしろコンサート等の文化的利用による稼働率を向上させるというのが主な目的でございます。新国立競技場の屋根の中央に位置します開閉式遮音装置につ きましては、そういう意味で競技大会の開催に直接影響するものではございません。観客席の屋根は必須でございますけれども、遮音装置はむしろ大会後の利便 に資するところが大ということでございますので、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会後に設置するとしたところでございます。

○国務大臣(遠藤利明君) お答えいたします。
2019年春に確実に完成させるため、開閉式遮音装置については両大会開催の段階では建設しないという文部科学省の判断を尊重したいと思っております
複雑な開閉式の天井は、オリンピック&ラグビーで使うものではなく、むしろその後の金儲けのためだという。その話を聞いたら、だれでも「じゃあ天井辞めれば?」と突っ込むことだろう。天皇陛下に手紙を手渡したり、トボケた答弁で有名な山本太郎氏ですらそうなのだから。

原発問題で「安全です」などと言い切ってしまったことからも、反対運動で売ってる山本氏の出番だと思わせてしまったのだろう。永田町の妖怪といえどもうお年か。脇が甘い。


http://www.huffingtonpost.jp/2015/07/16/ando-tadao-talks-on-new-national-stadium_n_7807344.html

それでも安藤氏は「斬新でシンボリックなデザイン」「ザハ案で建てるのが国際公約」「日本の技術力を世界に見せたい」と、ハディド氏のデザインを維持するよう希望。一方で、巨額の建設費に批判が集まっていることにも理解を示し、「高すぎるから、公な場でオープンな形でみんなで徹底的に討論すべき」と述べている。

こういうところで要らん意地を張るから話がまとまらないし、見積もりの出来ない「建築士」が「日本の技術力」を語るとかとかチャンチャラおかしい。

小生はぶっちゃけ安藤氏は存じ上げなかったのだが、「彼は尊敬してたのに」なんて言ってる人が居るからそれなりに有名だったのだろう。こういう場に引っ張り出されもするのだろう。それほどの御仁が、「見積り判りません」とか、よくぞこの御年まで純粋無垢でいられたものだ。天才肌。芸術家肌とでも言えばいいのか。建築士がそれでいいのかは疑問が残るが。多いに確信したのだが、安藤氏が有名なのは、優秀なオブザーバ&アシスタント&施工会社のお陰だったのだろう。

森喜朗元首相 「新国立競技場の経緯すべて語ろう」 http://www.sankei.com/politics/news/150717/plt1507170002-n5.html
招致が決まった時の都知事は猪瀬直樹さんだけど誘致できたのは石原さんの存在が大きかった。だから石原さんが推薦する安藤さんの意向を文科省もJOCも拒否できなかったのかな。

 だから現都知事の舛添要一さんにも言ったけど、東京都は国がメーン会場を作ることに感謝しなきゃいけない。「迷惑だ」みたいなことを言う立場じゃないでしょ。前々からの経緯から言えば、少しでも資金援助をするのが、むしろ常識ではないかな。
次のIOC総会できちんと報告できなかったら、契約違反になる。東京都とJOCが「こういう開会式でこういう風にやります」という文書をIOCに出し、契約したんですよ。

 無責任な評論家は「そんな競技場がなくても五輪はできる」とか言うけど、これはメンツの問題でもある。

僕は専門家じゃないけどキールアーチが問題なのは分かる。でもそれを前提にして基礎設計をやってるんですよ。キールアーチをやめるとなると全部やり直しだ。そうすると実施設計まで1年半かかり、プレ五輪に間に合わない。
産経もなかなか良い隠し球を出してくれた。
なるほど、話がかみ合わない理由は判った。
  • 建て替えが必要 → ウンウン
  • 国の威信を掛ける&誇りをもって新競技場を作る → ん?
  • だから2000億円が必要 → は?
どう見ても話が違うのだが、森さんの頭の中ではつながってるらしい。これで話が出来るわけがない。今度は石原前知事が悪いとか言い出した。もちろん石原さんは石原さんで、自分の立場でモノを言っている。

石原慎太郎氏が言いたい放題「IOCの白人は傲慢」「安藤忠雄さんに責任ない」「遠藤五輪相は小者すぎ…」 http://www.sankei.com/politics/news/150713/plt1507130006-n1.html
「自業自得だ。都知事の時、国が五輪やろうとなり、(建築家の)安藤忠雄さんに作ってくれといった。安藤さんは晴海につくるつもりだった。知事を辞めた理 由の一つは東京オリンピック招致だ。あんな招致運動は乞食。IOC(国際オリンピック委員会)を構成している白人どもは実に傲慢で勝手で。競技のルールを 勝手に変えるし。まったく裏工作があって。言いたいことはたくさんある」

「東京都が建設費の半分を出すなんてことは私の権限で言えるわけがない。晴海につくろうとは言った。安藤君にデザインを頼むとも言ったが。恐らくゼネコン はせせら笑っていると思う。この混乱を見て。つくるのはおれたちだから、いくらかかるかわからんだろうと足下を見られていると思うし。ここまで来たら東京 と国が協力して自前でやる以外ない。ただ東京が工事費の半分出すなんて全然あり得ない」
小生個人は、石原氏の芸風は嫌いじゃない。ディーゼル規制を進めるために、どこぞの議会でタールを撒いてみたりとかね。

しかし色々な人が自分の立ち位置でしか経緯を語らないから、繋げるのは面倒臭い。誰か総括してほしい。

晴海に作るなら納得できる。わざわざ旧国立をぶっ潰すとか、キールアーチの施工に四苦八苦したりとかすることもなかっただろう。石原氏はオリンピック開催反対だったか。もう知らないからお前ら勝手にやれと。