2015年7月20日月曜日

ザハ原案のキールアーチには理由が! 今更そんなことを言われてもな ...

高いだの溶けたカキだの色々言われてるザハ氏デザインの新国立競技場の原案。何やら今更キールアーチの設計理由が出回ってる。ある程度の知識があれば、初期の情報でも一目で判る話なのかも知れないのだが。

コケにされてるのはザハだった。新国立競技場の大幅値上げの理由が3分で分かるまとめ
http://matome.naver.jp/odai/2143668538426704101

要約するとこんな感じ
  • 基礎工事には地盤が必要だが、予定地では30m掘らなければならない。基礎工事の手間はそのまま費用に繋がるため、馬鹿正直に作るとどエラい費用が掛かったのかも知れない。
  • それをザハ案では、キールアーチで客席4800トンを吊って、基礎工事を両端の2点に集約しようとした。
そこまで聞くと、大概の人は「ザハスゲエ!」となるわけだが、話はそんなに簡単ではない。


ハディドさんの案をめぐっては、スロープが北側の首都高速やJRをまたぐなど公募条件の建設範囲を大きく逸脱していたことが分かっている。
 ところが審査では、審査委員長の安藤忠雄さんが、「高さは十メートル高い。そういう問題も含めてチェック事項はたくさんあります」としながらも、インパクトのあるデザインを優先。建設範囲をはみ出してしまう問題とともに、ハディドさんに了承を得た上で、事後に修正すれば良いとされた。
要するに、そのままでは作れない、予定地に「入らない」ことが最初から判ってたわけですよ。
  • 高速道路とかJRを跨ぎながらキールアーチを組み上げろって?
  • 都心のど真ん中にそれらの建材を運べって?
そこまで聞けば、3000億もあながち吹っかけてるとも言えなくなってくる。基礎工事は確かに安くなるかもしれない。基礎工事だけで済む話でもない。日本の建築はかなり合理化が進んでて、工場で部品を作って、現場ではもう組み立てるだけって話らしいのだが、新国立競技場も恐らくそうするのだろう。しかし複雑なキールアーチの部材を、入り組んだ街を掻い潜って組み立てろってのも尋常じゃない話。

クレーンでボトルワークさせる気か?!って話だよ!

ちょっと調べてみると、中国には結構ザハ女史デザインの建物があるようだ

オペラハウス http://designlike.com/guangzhou-opera-house-by-zaha-hadid-architect/ http://www.zaha-hadid.com/architecture/guangzhou-opera-house/

北京空港 建設中 http://thedesignair.net/2015/02/06/zaha-hadid-has-ambitious-plans-for-beijing/

オフィシャルサイトには設計図らしいのもあり、テキトーにやってるわけでないことは想像できる。ザハ女史は、どうやら次のような芸風を持ってると想像できる。
  • 超巨大な建造物を
  • 比較的低コストで
  • ただ組み立てるのまで楽かどうか?
いずれも中国本土の広大な土地ありきだと言えるだろう。写真だかイメージイラストか判らないが、周囲数100mは何もなさそうな立地に建ってる。ザハ デザインはそれ単体である種の芸術だ。回りの建物はむしろ邪魔だろう。これが日本の政治屋ジーサンに理解できないのは仕方ない。でも一級建築氏は「理解」しなければならないし、していた筈だ。

総合的に言えば、やはり地盤の弱い東京都に招致したのがそもそもの間違いだろって話になる。その上で金を誰が出すの出さないのという話になってるのだから、政治屋共はどんだけ阿呆なのかっていう。