2019年11月12日火曜日

「薬物依存は脳をハイジャック」「ドラッグは人を3回殺す」これで無辜の民にも伝わるといいけど


「またか」と思っても… 田代まさしさんをバッシングしてはいけない理由(石戸諭) - 個人 - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidosatoru/20191107-00149878/


精神科医の松本俊彦ら、薬物依存症の専門家たちの言葉を借りれば「覚せい剤の依存症って、簡単にいうと脳がクスリによる快楽でハイジャックされている状態」になる。覚せい剤というのは打ったり、あぶって吸ったりするだけで、多幸感を得られる。覚せい剤は脳の快感中枢に直接作用することで、脳が快楽を覚えてしまい、忘れることができない状態になる。治療は簡単ではないのだ。

「依存症患者の言葉と涙は信じるな」という言葉も治療や支援の現場では共有されている。ここで大事なのは、一番騙しているのは誰かという問題だ。彼らが最も騙しているのは、自分自身だ。「周囲を騙すな」と怒れば解決するなら、いくらでも怒ればいい。先にも書いたように、その程度で治る病気ではないのだ。覚せい剤にまた手を出したいと思っても、周囲から「意志が弱い」とバッシングされるのではないかと考えている患者は少なくないという。

自分に甘く他人に厳しい日本人。「自己責任」論の大部分は「俺に迷惑かけるな!」って意味だよ。だから気楽に「意志が弱い!」とか言う。ジブンだって大したことないのにな?

脳がハイジャックは悪くない表現に思える。これで日本の無辜の民にも伝わるといいけど。

夜回り先生・水谷修氏「田代君、逮捕されてよかった」 ドラッグは人を3回殺す(まいどなニュース) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191108-11001617-maidonans-life

特に、問題なのは、この依存性です。たかが、タバコの中のニコチンというドラッグでさえ、多くの人が止めることができないのに、それよりはるかに依存性の強い覚せい剤は。

ドラッグは、人を3回殺します。まずは最初に頭です。ドラッグのことしか考えられないようにします。そして、次に心です。ドラッグを手に入れるためなら、平気で嘘をつき、愛する人を裏切ります。そして、最後に、体を殺します。

ドラッグの専門家の間では、「1対3対3対3」ということばが、よく使われます。それは、覚せい剤等のドラッグを使用した人の1割は、命を失う。3割は、刑務所か精神病院に。3割は、行方不明(つまりどこかで使い続ける)、残りの3割が、専門家やダルクなどの自助グループの助けを借りて、回復への道を歩むという意味です。今回の逮捕で、彼は、最悪の事態、つまり死から逃れることができました。それだけでも、よかったと考えています。

じつは、彼が、2010年9月にコカインの所持で逮捕される直前に、彼をサポートしていた人から、彼の復帰の手伝いをして欲しいと頼まれました。私は、その時「田代君をあなたが大切に思うならば、彼を今は捨てることだ。そして、私の施設に預けることだ。こんなことをしていたら、彼は再度使う。ドラッグは、愛の力では勝てない」と言って断りました。相手は、「夜回り先生を見損なった」と激怒していました。

日本人は甘ったれだから「優しさ」は「甘えさせてくれることだ」と勘違いしてる。そこを突き放せる水谷氏は流石というほか無い。