2015年6月27日土曜日

生体頭部移植 画期的な手術ではあるが

「頭を体から切り離し他人と結合」難病男性が手術へ
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20150626-00000062-jnn-int

25日に会見したのは脊髄性筋萎縮症を患う男性(30)です。この病気にかかった患者の平均寿命は短く、男性も症状が急激に悪化しています。そこで、イタリア人医師が提唱している自分の頭部と脳死状態となったドナーの身体を結合する手術を受ける決意をしました。

これを読んだ日本の阿呆共は、例によって下品な煽りが真っ盛りだ。

  • これはナチスや731部隊に匹敵する悪魔の所業。
  • バラして組んでってw もはや笑えるレベル
  • 神や自然、個人への冒涜だと思うんだが
  • ニコイチは車とバイクくらいだと思ってましたw
  • これ、絶対したらあかん事です

正直、お気楽もいいとこだろう。

ヤフーの記事にはあまり情報がないようだ。エキサイトの方が充実してる。

【生命倫理学】世界初の「頭部移植手術」を実施へ!! フランケンシュタインが現実に!?
http://www.excite.co.jp/News/odd/Tocana_201504_post_6199.html

スピリドノフ氏は、脊髄性筋萎縮症という遺伝性疾患を抱えている。これは、全身の筋力低下が起きるとともに様々な障害を併発し、患者の多くが20歳を迎える前に死亡するという不治の病だ。今から2年前、スピリドノフ氏は、以前から頭部移植手術について研究してきたカナヴェロ博士と連絡を取り始めた。自らに残された時間が少ないことを悟り、「たとえ大きなリスクがあろうとも、健康な新しい身体を手に入れたい」と、最後の望みに託すことにしたのだ。

そして「ポリエチレングリコール」という化合物を接着剤のように用いて、スピリドノフ氏の頭部とドナーの身体を結合。さらに脊髄・筋肉・血管を縫合するという。その後、頭部と身体がしっかりと結合して傷が癒えるまでの4週間程度、スピリドノフ氏は昏睡状態に置かれる上、拒絶反応を抑えるために強力な免疫抑制剤も投与される。しかし目覚めると、新しい身体を自由に動かせるようになり、自らの声を失うこともないのだとか。

煽り文句は品がないが、より切実さを伝えてる点は評価したい。そして当事者の必死さはこの台詞に現れている。

「心臓移植も、ある時点までは倫理に反するものと考えられていました。人間の心は心臓に宿ると考える人もいましたからね。でも今は、多くの移植手術が行われており、医師は何人もの命を救っているじゃないですか」
「(私ではない)別の誰かで頭部移植の技術が確立する時まで、生きていられるかわからないのです」

何時もコイツらが言ってるであろうことを、コイツにも返してやりたい。

  • お前ら、自分の息子/親が同じ病気でも、同じこと言えるの?

別に言えなきゃ言わないで構いません。それが人間。そして立場によってコロコロ意見が変わるのも、矮小な人間には仕方のないことです。

成功するか否かで言えば、1%も無いでしょう。上手くいくとは到底思えない。1500万ドルをドブに捨てると思ってもそれはある程度は仕方ない。そう思うのなら出資しなければいい。そして、この件は忘れて日々の暮らしに戻ればよい。

もちろん人体実験ではあるし、生命に体する冒涜だろう。しかしそれは脊髄性筋萎縮症に罹ってないから言えること。本人が望んでるのだから、需要と供給が一致しているし、どうせアナタにとっては対岸の火事だ。もちろん小生にとっても同じく。

一つだけ確実なのは、彼らを嘲笑する権利は誰にも無いであろうことだ。