2015年6月27日土曜日

殺人は認めず、死刑は認める。修羅の国ニッポン

ここに来て何組かの死刑あるいは死刑判決が出た。

心斎橋通り魔、礒飛被告に死刑判決…大阪地裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150626-00050087-yom-soci

礒飛被告は事件17日前に覚醒剤取締法違反で服役していた新潟刑務所を満期出所。捜査段階から「刺せ」と幻聴が聞こえたと説明し、起訴前と起訴後の2回、精神鑑定が実施されたが、幻聴の影響が強いか、限定的かで結論は分かれた。弁護側は「心神耗弱状態だった可能性を否定できない」と死刑回避を求め、刑事責任能力の程度が争点だった。

この話を聞いて安堵するニホンジンの実に多いことか。嘆かわしい。なぜって、「悪人なら殺してよい」と考える人種ってことだ。それって戦争の肯定に近い。えっ「戦争を肯定してない」って。ああ失敬。小生の幻聴だったようだ。ならそれならそれでよい。どうやら器用に「殺してよい理由」を選択できるようだから。

日本の終身刑はブタ箱で暮らすだけといえばだけだから、刑罰としては軽い印象を与えるかも知れない。だから凶悪犯は殺してしまえ!とか強い論調も出てくるのだろう。しかしそれはアナタが手を汚さないから言えること。

宅間守の生い立ち【附属池田小事件】
http://matome.naver.jp/odai/2136425953880976101

宅間守は1963年11月23日、兵庫県伊丹市の工員Sの二男として生まれる。守が生まれる前、母親は妊娠を喜ぶ父親に対して「あかんわ、これ、堕ろしたいねん、私。 あかんねん絶対」と言ったという。母親が守を宿した時に何を感じたかわ分からないが、守は幼少の頃から三輪車で国道の中心を走って渋滞させたり、動物を虐待するなど 反社会的行動が目立っていた。

小・中学時代から強者に迎合し、自分より劣ると判断した同級生を「奴隷」と名指しした。「宅間さま」とかしずかせ、「調子に乗るな」と因縁をつけて暴行。女生徒が横切れば、唾を吐きかけた。

 そればかりではない。燃やしたドラム缶に生きたままの猫を入れたり、布団です巻きにして川に流す。成長するにつれ、些細なことで母親を殴り、家庭内暴力を繰り返したという。

随分と細かいエピソードまで辿れるものだと逆に驚いたが、死刑囚の来歴なぞ最早オープンソースなのだろう。恐ろしい時代になったものだ。母親が妊娠中に何を感じたかは非常に気になる。神の啓示か夢枕か。

それにしても全体的に言えるのは、死は刑罰であるという認識。

それはそうだろう。大多数の「善良な市民」は現世への執着がある。死にたくないに決まってる。だから殺人は犯罪であり、他人の未来を奪った奴には同等の罰を与えるべきだ!となる。ある側面ではそれなりに説得力があるように見える。

しかし、一部の苦痛を伴う状況では、死は「解放」となる可能性がある。これは安っぽい宗教の話ではない。

【号泣裁判】京都介護殺人は他人事じゃない【温情判決】
http://matome.naver.jp/odai/2142625114482082501

生活費に窮するようになったKは、自分の食事を2日に1回にし、母親の食事を優先した。こういった苦しい状態になると、人は普通親類なり友人なりに頼るものである。しかしKはそうはしなかった。Kの心にはいつまでも父親が生前言っていた言葉が去来していたからだ。
「他人に迷惑をかけたらあかん」

6月21日の公判では、「同じ様な事件が後を絶たないのはなぜか」という裁判官の問いに、Kは、
「今日、明日を生きるために立ち上がる機会と、考える時間、そしてお金を与えて下さい」
迷惑って何でしょうね?人間多かれ少なかれ迷惑をかけるものだし、全くの不可抗力で恨みを買うことも大いにありえる。そもそも狭い日本、余程の豪邸でもないかぎり、5m以内に赤の他人が住んでいるのだから。何の干渉もしないとか考えられない。

他にも介護疲れ殺人はウジャウジャある。自殺未遂でもありますが。

奈良、寝たきり妻を殺害容疑 介護の96歳夫を逮捕
http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013020901001628.html

「すまん、母さん…」介護疲れか 71歳男、同い年の妻殺害容疑
http://www.sankei.com/affairs/news/150208/afr1502080015-n1.html

どこぞのベビーシッターが、高額バッグを盗んで金にするなぞまだ良い方といわざるを得ない。

まあ何が言いたいかっていうと、死より辛い苦しみを与える方法なんざ幾らでもあるよってことです。

中世ヨーロッパの拷問なんか酷いですよ。これを日本でも摘要したらいいんじゃないでしょうか。 ちょっとこれを読んでゾっとしてください。ニンゲンは本質的に残虐なものだ。アナタだけが特別と思わない方がいい。

 http://matome.naver.jp/odai/2137397034694273001

古来日本では、刺青は犯罪者の証であった。犯罪者は一生それを背負って生きていかなければならない。そういうのを復活させてもいいんじゃないでしょうか。