2011年3月6日日曜日

メイルは議論には向いてない

メイル(インターネット)を仕事で使ってます、って人は、もう日本中のほとんどがそうだと思いますが、筆者は、メイルは仕事には向いてない媒体だと考えます。
メイルとは何なのか?物理的サービスでは郵便に近いと思いますが、それより遥に速く届き、おまけに概ね無料です。とは言え、電話ほど速いわけではない。
つまり、郵便と電話の中間的な媒体。電報がまあまあ近いでしょうか。
メイル≒電報+概ね無料+返信機能。ここ重要です。

電報や手紙で、仕事の業務の細かい連絡ってしないでしょう?でもメイルではやってしまう。簡単に送信できるからです。
ただし、忘れちゃいけないのが電話&手紙&メイル&電報は、本質的に私信なのです。内緒話なのです。でも仕事で「私信」って、あり得ないのです。本質的な問題がここにあります。

仕事なのに、内緒話じゃ、仲間がフォローできない。
言い換えると「共有しなきゃならないモノ」を「私信」で送ってることです。
だからccしてみたり、メイリングリストで運用してみたりですが、「全員に返信する」を全員が間違いなくやらなければなりません。
更に、今度は同じメイル文章が、個人のハードディスクと、メイリングリストアーカイブと多重に存在するので、ハードディスクの無駄とか、そういうミクロでケチくさい話もあります。

また、本質的に「手紙」であることが、業務の連絡としての運用を妨げます。居るでしょ?題名で名乗る人。ナカジマです。いや知ってます。
また、1通のメイルに、複数の案件を混ぜることも、頻繁に起ります。
取引先にインタビューしてみたところ、クライアントとしては案件単位じゃなくて、受注単位で考えてるみたいなんですね。だから題名はいつも一緒「○○の件」
これをやられると、メイルの分類が困難になるし、議論が派生したときに何の話か判らなくなる。

そういう意味では、返信機能をなくせばよいのかもしれませんが、残念ながら別の混乱が起るでしょう。

これによって、後期に参加した人が、メイルの議論を追いかけるのが面倒すぎるのです。返事を書くときの「引用」の慣例も、それに拍車を掛けてますね。例えば2000行の引用があって、下の方に大事な話が有った!とかとても探せません。

あくまで通常のメイル運用を維持したままでの話であれば、
この辺りの改善に積極的に努めてるのが、Gmailです。
  • 引用の引用を折りたたむ機能があるので、新しく人間が書いた分に専念できます。
  • メイル一覧に、本文の前半がチラっと出るので、緩い題名を書く人でも、内容の確認ができます。
  • ラベル機能は、メイルの多角的な分類が可能になります。フォルダによる分類は、一ヶ所に入れるしかなかったけど、「○○様」「△△案件」「請求書」。いったいどれに分類すればよい?

ただし、これもベストではありません。全員が使わないと意味がない。
単純に、サーバサイドにデータを預けることに不安を感じる人も、非常に多い。
日本人に特に。

そういった現状を無視して、とりあえず筆者の案では、twitterがもっとも理想に近いです。
  • メイルの題名は、事実上機能してない場合が多い→じゃあ要らない
  • 引用は要らない→160文字制限とかでも結構いいんじゃね?
  • 添付ファイルは便利だが、何度も添付しまくってどれが最新版だか?→別の媒体を使うべき
  • ハッシュタグの概念は、Gmailのラベルに近く、分類には望ましい。

じゃあ、「twitterを仕事の連絡に使いましょう」そんな訳には行きません。メイルの唯一の利点は、私信であるからこそ企業秘密に使えてもいます。
ということは、twitter的な機能を提供する、プライベートチャットがあれば良いのではないか?