2018年6月23日土曜日

何か事故が起こる度に「過去から何も学んでないのか!?」といきりたつ善良な人民よ。貴方達も多分学んでない。

大阪の地震に起因して、痛ましい事故がいくつか起こってる。最たるものがこれだろう。

全文表示 | 女児の命奪った「危険ブロック塀」 「近づいてはいけない」その特徴は : J-CASTニュース https://www.j-cast.com/2018/06/18331653.html?p=all

ここで、善良な国民の皆さんは毎回言う。「過去の事故に何も学んでなかったのか!?」と。

誠に残念なことに、「学ぶ」「学ばない」の問題ではないのだ。順をおって話そう。

校長はブロック塀の危険を認識、塀倒壊で女児死亡の小学校 TBS NEWS http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3402828.html

「ブロック塀が危険だと知り、定期点検以外に2年前に個別で点検を依頼して調査してもらった結果、異常はないと判断された」と明らかにしました。

「教育委員会に大丈夫かどうか確認した。その時に大丈夫だと言っていただいた。私の認識が甘かった」(田中良美校長)

は?教育委員会?と思ってググってみたら、さらに驚愕の事実。
生かされなかった警告、ブロック塀倒壊は“人災”か TBS NEWS http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3403546.html

学校から依頼したのが教育委員会で(なぜ?)、しかも高槻市教育委員会までたらい回し。しかも素人が壁を叩いて確認しました。なんだこれ。

まあ安普請かどうか確認したのならこれでも構わんだろう。あるいは校舎の壁と同じ確認方法かもしれない。

だが今回の問題はそこではなかったと言うわけだ。

ブロックはみっちり詰まってます。でも建築基準法違反です。そこから先は専門知識が必要だった。

つまり実は「学ぶ」「学ばない」ではない。

今回の場合は、「関係者全員が、お役所仕事の他人事でした」で説明は付く。
似たような事故は今後も何度も起こるだろう。

結論から言えば、

  • 控え壁を立てる。
  • 建て増し時に、より軽量な材料を使う。
  • 加えて、ガードレールがあれば、つっかえて倒壊が制止できる可能性があったのではないか。

解決策自体はさほど難しいものではないと考えられる。それ故に被害者が不憫である。

ここで最初の話に戻ろう。

日本の善良な、無辜の民の皆さんは、「責任ある立場の皆さんは、有事の際には責任をとってくれる」と思い込んでいる。

いやなぜかは判るよ。無辜の民は「俺は悪くない。悪いのは責任者のアナタでしょ!」と言いたいだけだ。「人災だ!」と責めたいだけ。そして首を切ればいい。責任者は使い捨て。つまり「クビにする人を持ち回ってる」に過ぎない。

  1. 人間がやる限り、ミスは必ず起こる。しかし日本人は他人のミスには敏感だ。
  2. 日本人の本質が他力本願であるかぎり、誰かさんの責任には必ずなる。問題はその後。
  3. そして「人災だ!」と騒ぎ立てる限り、事件が矮小化し、根本的解決にはならない。
挙句に素人のザル調査なら、それこそ「AI」にやらせたほうが遥にマシだろう。