2016年6月22日水曜日

1984年度I/Oの無断らしい公開と、それに対する現編集長の見解 → 俺氏「絶版の刊行物は、オフィシャルの入手手段を設けるべき」

工学社刊行の雑誌、アイ・オー。その1977〜1989の一部が公開されてる。

https://archive.org/search.php?query=creator%3A%22%E5%B7%A5%E5%AD%A6%E7%A4%BE%22&sort=titleSorter&page=2

ハテ、なぜarchive.orgで? archive.orgは、地球上のWEBサイトを、時期毎に勝手に保存するサイトである。嫌なら削除してもらうことも可能だ。そこまでは知ってる。

そこに何故日本の雑誌のデータが?そのarchive.orgが手広く初めたサービスの一つで、Comuunity Textsで、opensourcesとしてアップロードされたもののようだ。

内容もどうやら物理雑誌をスキャンしたもののようだ。

I/Oのアーカイブについて http://ioio.hatenadiary.jp/entry/2016/06/21/195444
当然のことながら、ここに上がっているは公式に弊社が上げたものではありません。弊社が許可していないものなので、著作権法違反なのは明らかです。
これ以上アップされた場合は、法的なものも含め、今後は何かしらの措置を講じる必要が出てくるかもしれません*1。
ですがその一方で、多くの方が、このI/Oのアーカイブを話題にしていただき、昔からI/Oが愛されていることに、本誌に関わるイチ編集者として、素直に嬉しいという思いもあります。
ですので、もしアーカイブを読まれた方に、お願いがあります。
ぜひ、本屋で売っている”現在”の「I/O」を手に取ってみてください。

うーん、どうやら著作権違反であることだけにお怒りのようだ。

そして、これらの絶版物に対するニーズそのものには言及してない。正当ではあるが、残念な意見ではある。

小生の場合、断言するが、
  1. 例えばFM7のウットイに独特の執着を持っている。
  2. これは、「本屋で売っている”現在”の「I/O」」では断じて解決し得ない。
  3. それらの入手方法は、オフィシャルでは存在しない。
この公開がなければ正直探すのはシンドかったのだが、1984年8月号のI/Oに載っていたのが分かった。X1版のホバーアタックも載っており、なかなかの8BIT-PCゲームの豊作号と言える。

しかし、スマフォですら3Dゲームが出来てしまうご時世、8BITを題材にした雑誌は売れない。FM7やX1等のハードウエアに至っては、入手はほとんど不可能である。

大事なことなので2回言います。
  • だが僅かなニーズがある。例えば、小生の場合、FM7版のウットイをやりたい。
  • 重ねて言うが、これは、「本屋で売っている”現在”の「I/O」」では断じて解決し得ない。
全体的に言えるが、物理出版業界は、アッサリ絶版にし過ぎだと思う。

しかし、商業的にそうしなければならない理由は大いに判る。例えば年1冊しか売れないのであば、それは「売れない」ものだ。商品価値がない。

ちょっと話をずらして、この辺りの話が漫画の方が昔から深刻だったりする。

現役漫画家の赤松健氏が様々な活動をしており、しかもマンガ図書館Zというサイトまで主催している。

http://d.hatena.ne.jp/KenAkamatsu/20160113/p1

全体的には昭和の名作が結構見受けられるが、流石に全てを網羅してるわけではないようだ。まあ権利関係が面倒なのだろうという想像は出来る。誰が交渉しているのだろう?

似て非なる試みで、漫画家本人が、無料公開している例もある。

漫画家・佐藤秀峰が語る「ブラックジャックによろしく」無料化の裏側 - 「eAT KANAZAWA 2013」密着レポート【6】 http://news.mynavi.jp/articles/2013/03/21/eat06/

なぜこんなこと(漫画の公開、二次使用のフリー化)をしたのか? 佐藤氏はこう語る。紙の出版は衰退の一途をたどっている。代わりに電子書籍が伸びてきている。2年ほど前、佐藤氏は、漫画家が自主的に発表できる場としてオンラインコミック配信サイト「漫画 on Web」を開設。そこで「ブラックジャック~」を無料公開した。目的は集客のため。無料公開にした理由は、同作品は2006年から増刷がかかっておらず、増刷してもらえないのならこのまま(出版社に)眠らせていても意味がないからだという。この無料公開の結果、有料の「続・ブラックジャックによろしく」が売れ始めた。そして、もっと著作を広く使ってもらうために、著作権をフリー化し、二次使用を自由にできるようにした。
漫画に限らず、出版物の著作権はあくまで著者に帰属し、出版元には著者との出版契約に記載された合意内容以外、法的な権利は認められていない。その意味では、出版社と二人三脚で作り上げた作品ならいざしらず、いくら利害関係下にあろうと、佐藤氏が行った行為はこれまでの商習慣をよしとする業界全体へのアンチテーゼであり、なんら否定されることではないと個人的には思う。もちろん、出版元の言い分もあるが、書店流通の市況がこれほど落ち込んでいる中においては、いつか誰かが口火を切るのは時間の問題だったように思える。
これらの見識は、I/Oの場合にも正直適用できると小生は考える。

早い話が、
  • 絶版の刊行物は、PDFなりで公開してくれ。
  • 適正な金額なら払ってもいい。