2016年1月9日土曜日

絶歌、読んでみた

良くも悪くもほとぼりが冷めてきたのでそろそろ書こうか。

元少年Aが書いたという問題作、絶歌、その感想である。

更正および出版の是非については、色々な人がとっくの昔に色々書いているが、思ったよりは真っ二つには成ってない。被害者感情云々を謳ってる反対派が非常に多い。

結論から言うと、更正したか否かについては、更正したと言ってよいと思う。理由は後述するが大した話でも長い話でもない。小生は専門家ではないので、素人のたわ言と思もらえれば良い。

逆に、更正したと思わない人の理由は次の通りだろう。
  • 被害者の殺害描写が極めて客観的
  • 自分の周辺の人=肉親にしか謝罪してない。 
    • しかも謝罪の理由が、「自分を愛してくれる存在を裏切ったこと」に尽きている。
本編の構成は、大きくわけて2つ。

前半は、留置所およびそれ以前(つまり犯罪行為そのもの)と、後半は更正プログラムについてに別れる。

後半は、表面上はどうにか仕事+暮らしていけているが、「例のアレの彼」と発覚することもままあり、その度に職を転々としている。

特に幼少時代の情景描写は非常に詳細であり、果たしてこんなに記憶してるものかと驚く。まあ美化したものもあるかも知れないが。

これは、「現在の人格が、過去の自分を極めて 客観的に見ている」と考えれば、
現在の人格を新たに「貼り付ける」ことには成功してるのかも知れない。

「現在の人格」が更生によるものか、は作中からは伺い知れない。