2016年2月12日金曜日

「格安SIM」のメリットは、「安いこと」じゃねえよ

不定期で愚痴を見かけるのだが、俗にいう「格安SIM」のメリットは、厳密には「安いこと」ではない。愚痴を言ってる連中は、割り切りが足りない。
  • 料金が高く成り過ぎないこと※使用量によって料金が変動しない
  • 窓口に行かなくて済むこと
  • キャリアの執拗な営業に付き合わなくて済むこと
この3点で納得した方は、続きを読む必要はない。

1番目の「高くなり過ぎない」は「安い」と何が違うのか。

まず、「格安SIM」が「何故安いのか」の話からしよう。

ここから先の説明は、詳細を意図的に省いている。興味をもった方は各種の資料を改めて参照してほしい。

格安SIMは、厳密にはMVNOと言う。端的にいえば、NTTからSIMと通信サービスを切り売りしてもらうものである。


より詳細な資料は、総務省の当該資料を見れば解ると思われる。


ちなみに小生は読んでませんがナニカ。

MVNOをざっくり説明するとこんな感じである
  1. 格安SIMを注文すると、任意サイズのSIMが届くのだが、このSIMは基本的には大手3キャリアのものだ。
    1. 例えばドコモだったり、AUだったり、希少だがソフトバンクも無いこともないない。
  2. このSIMを使うと、当然のことながら、無線網はドコモのものを使う。この辺りが切り売りたる所以である。
    1. MVNO業者が、NTTに料金をまとめ払いしている。
    2. 要するに、団体割引きをしている。
まあ誤解を恐れずに言うなら、こんな喩えはどうだろうか。
  • 道路は回線キャリア。
  • キャリア直接契約は、タクシー利用。
  • 格安SIM=MVNOは、路線バス。SIMは定期券だと思いねえ。
色々試行錯誤した結果、この喩えに落ち着いた。悪くない喩えだと自負している。

時刻が合えば、バスは安価で便利な交通手段である。ただし家の近くだからって自由に止まってもらうことは出来ないし、混んでるからって回り道をしてもらうことも出来ない。

MVNO業者は既に10程度は出てきており、上記の例えで言うなら「バスの台数」に結構な差があるようだ。

それ故に、MVNO数社を使い分ける意味は、ある程度はある。

しかし、ただの1社に絞って、その速度に一喜一憂するのはまるでオススメできない。そんなもの、利用者数によっていくらでも変動するからだ。

同じバス停で待ってたとしても、自分の契約してるSIM=定期券が合わなければ乗ることはできない。結局、MVNOなりに急いでる=速くないと困るのだとしたら、来たバス=空いている回線に乗るようにするしかない。それが数社を使い分けるメリットである。

それじゃあ安くならないじゃないか。

その通りだ。だから最初に言ったはずだ。それはメリットではないと。
  1. ドコモ等で、一ヶ月の料金が1万円以上になる人であれば、
  2. MVNO契約の一つが2500程度だとして、3社契約してもお釣りが来る。
  3. しかも、それ以上料金があがる心配がない。
安さに拘り過ぎると、少しでも速度が出るMVNO業者を渡り歩くことになりかねない。知人にそういう人が居るし、それを狙ったポータルサイトも幾つか散見する。

しかしこれは前述の理由で無意味である。そもそもMVNOは通信速度を期待できる契約ではないのだ。最初から相乗りだと判りきってるのだから。

結局、MVNOなら、2〜3社程度を日常的に使い分けるしか無さそうである。これが小生の現在の結論である。