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2015年8月7日金曜日

今や熱中症で人が死にまくる時代、太陽光線が強くても困らないのは光合成のできるやつだけだ

温帯湿潤の気候に慣れてる日本人は、基本的に「夏」をなめてる。フツーの暑がりですらそうだ。それが今年に至って、結構な人数があちこちで亡くなっている。国内外でもそうだ。

まず基礎知識からだ

熱中症を引き起こす仕組みと予防、および重症化しやすい体質について http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/news/shimin/nettyuusho02.html

Q9:熱中症での体温上昇にも弱い体質の人がいるということでしょうか?

A : 熱中症になり、「体温40℃以上」でかつ「意識障害またはけいれん」があるような重症化した(熱射病)の患者さんで調べたところ、体温が40℃以上になる とATPをうまく作れなくなる遺伝子を持つ人が、45.5 %で確認されました。熱中症は、高温・多湿の環境で発症しますが、体温が40℃以上にまで上昇したような場合、体質的に重症化しやすい人がいるということ です。
 ただ、残念ながら、この遺伝子タイプは、研究室での複雑で高度な解析が必要であり、現段階では、病院で一般的に行える検査ではありません。しかし、この 遺伝子タイプの人でも体温40℃以上に上昇しなければ問題は起こりません。したがって、上に述べたような予防策が最も重要であることはかわりないというこ とです。
 なお、インフルエンザで発熱し、インフルエンザ脳症という重症な病状となった人でも、46.2%と高頻度でこの遺伝子タイプが確認されています。

「人間が茹で上がる」のは間違った表現ではあるようだが、実は当たらずとも遠からずと言える。
少なくとも、「医学的に、熱さへの耐性の強弱は存在する」 しかも「熱さに医学的に弱い人は、即死級のダメージがある」のは認識すべきだ。
熱中症で22歳男性死亡 香川、国道で交通整理中 http://www.sankei.com/west/news/150801/wst1508010046-n1.html

7月31日午後3時半ごろ、香川県まんのう町の国道32号で、街路樹の枝切り作業現場の交通整理をしていた警備員の男性(22)=高松市=が「しんどくてもう無理です」と体調不良を訴えた。病院に搬送されたが、熱中症と診断され、1日午前2時25分に死亡した。

 琴平署によると、男性は31日午前9時ごろから交通整理をしていた。1時間ごとに20分の休憩や、昼食休憩なども取っていたという。
休憩をとれば大丈夫か? 不十分な冷却では意味がない。

熱中症予防の常套は、「水分摂取」ということになってる。しかしこれは、水分吸収→発汗→気化熱による冷却を期待してのことである。果して経口摂取の水が汗になるまでどれくらい掛かるのか。少なめに見積もっても数時間は掛かるだろう。

そもそも生命活動に必須であるから、水分摂取は必要。しかし体温冷却のためであれば、さっさと水でも被った方が早い。とはいえ、交通整理だと制服があるはずで、制服の上から水を被るのはなかなか憚られることだろう。

ゲームイベント参加で熱中症の症状 11人搬送 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150802/k10010175901000.html

主催者によりますと、午前11時半ごろには入場が規制され、熱中症が心配されることなどから、それ以降は並んでも会場に入れないことを現場のスタッフが伝えたり、ホームページで周知したりしていたということです。

しかし、その後も会場を訪れた人には特典を渡しては多くの人が並び続けていたということです。

会場にいた人たちは「入場までに2時間以上待ち、疲れました」とか「特典をもらうために4時間ほど待ちました。日傘と水分補給でなんとかしのぎましたが、大変でした」などと話していました。

入場規制がかかった途端、不調を訴える人がでたのは笑えない話。「入れる」期待があったとしたら、そのまま我慢して、手遅れになった可能性がある。

増える真夏日・猛暑日、「昔も今も暑さ変わらず。騒ぐのは根性不足」は精神論 http://bylines.news.yahoo.co.jp/fuwaraizo/20150806-00048241/


一方、昨今においてネット界隈で、気象庁の平均気温のデータを用い、気温上昇は起きていないとする意見が一部で広まり、それをきっかけに「昨今の夏の暑さに関する対応は騒ぎ過ぎ。昔も今も暑さは変わらず、現代人の根性が無いだけだ」とする意見も吹聴されるようになった。関連しそうな学問の専門家ですら、その類の言及を行い、驚いたのは当方だけではあるまい。 
「関連しそうな学問の専門家」は恐らくクラッシックな日本家屋にお住まいなんではないですかね。十分な広さの庭と植木があれば、輻射熱はかなり抑えられる。古典的な日本家屋であれば建物自体への蓄熱もかなり低いであろうから、クーラー無しでも比較的、しのげる可能性はあるだろう。

まあ運転手付きの車で移動してたら判らないだろうなー。夏場は窓ガラスでさえかなり蓄熱している。40度近いと思いますよ。嘘だと思ったら触ってみるといい。